地域作りの中核を担ってきた自治会・町内会。ただ、高齢化が進み、加入率も低下したいま、一部の人に負担が偏るなど、多くの課題も抱えています。負担を減らし、多くの人が関われるようにするにはどうすればいいのか。各地の取り組みを取材しました。
活動を支える地元の「ファン」
東京都中央区の日本橋中洲に位置する「中洲町会」では、日本橋の知名度を生かし、特定の人に負担が偏らないための仕組みを作った。
イベント運営を担う青年部は、地域に住む人たちからなる「部員」と、地域の「ファン」であれば誰でも参加資格がある「準部員」から成る。四十数人のうち、約3分の1が準部員だ。
準部員は総会での意思決定には参加できないが、祭りなどの活動では中核を担う。町内のみこしの責任者を、元々中洲に住んでいた「準部員」が務めたこともある。
関わり方にも柔軟性を持たせた。①イベントに参加②当日準備から参加③事前準備から参加、の3段階に分け、仕事が忙しいときは①、時間があるときは③などと、状況に応じて変えられるようにしている。
仕掛け人は、青年部長の高木亮さん(47)だ。鹿児島県出身。30歳のころに日本橋に越してきて、町会に入った。周りは50代以上。「仲間というより親という感じだった」。
当時、地域には新築マンションが増えていたが、新たに住み始めた人たちに町内会の印象を聞くと「何をしているのかわからない」「町会に入りたくても誰に言えば良いのかわからない」などと返ってきた。
新旧住民の垣根をなくすため、広報部を作り、ホームページやチラシ、動画で活動を紹介し、全戸にイベント案内を配った。徐々に関わる人が増え、2017年に約20年ぶりに青年部を復活させた。
都市部では住民の入れ替わりが激しいため、持続可能な運営方法について日々考えている。「日本橋には伝統があり、守るべきことがたくさんある。ただ、新しく来る人も増え、変えるべきこともある。10年、20年後、元々町に住んでいない人が町会長になる時代がくるかもしれない。住民や時代に合わせたバージョンアップが必要だ」
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル